ガンジー「すべての日本人に」
(マハトマ・ガンディー著、森本達雄訳『わたしの非暴力』第2巻、みすず書房) 東南アジアを破竹の勢いで占領し、インド国境にせまりつつあった日本軍に対し、武力による勝利の空しさを説き、帝国主義戦争の停止をもとめた有名な公開状。1942年7月26日の『ハリジャン』に掲載された。当時、ガンディーとネルーは、日本軍に対してインドがとるべき方向について、政治的意見を異にしていた。ネルーはゲリラ戦を主張し、場合によってはイギリス人とともにたたかうことも考えていた。ガンディーは、侵略者に対してあくまでも非暴力で抵抗すること、イギリスがインドから撤退することを優先的に考えるべきと主張した。だが、両者の歩みよりははやかった。同年8月には「クイット・インディア(イギリスよ、インドを出ていけ)」の大闘争がはじまる。 本文